12.『詩の世界に』  苦と楽の狭間で    2019年3月18日  22:39

A.心の中を表現したくて しようとして 毎日の記しを付け始めた
 続ける事を目標として 粘り強さを発揮させた

A.三日目を越えた辺りから 運命が変わり出した 僕は導かれる様に書き綴って居た
 喜怒哀楽を吐き捨てるかの様に 書き殴って居た

B.昔取った杵柄は想像力と構成力を宿して 物語は詩の世界に修練されて行った

C.言葉を分解し 文字をも分解し あたかも 全てを解剖したかのように
 世界の全てを解剖したかのように つぶさにつまびらかに 心と脳を解き解して居た

S.手を出して 足を踏み入れて 新しい分野を知っていく 新しい自分を知っていく
 夥しい程の不安と恐怖の中 自分には負けるまいと
 自分だけには負けるまいと 静かに密かにそっと優しく虚しく
 
 独り 闘って居た


A.己の限界を知り倒してからは 知り尽くそうとして
 毎晩毎晩 詩の世界に没頭した 生きる事を放棄して 死んだ事を放棄して
 
A.三ヶ月目を越えた辺りから 生活が乱れ始めた
 君の事すら忘れようと 自分を見失って居たんだ
 本当の魂の故郷を見付けようとして 必死にもがいて居たんだ

B.今 たった今 解ったんだ とその時 自分と世界を重ね合わせ 宇宙を通り超して
 全てを感じようと模索したんだ
 していたんだ していったんだ そうなんだ そうなんだ そうなんだ

C.理性を崩壊し 本能さえも崩壊し 所謂 自我崩壊を起こして居たんだ
 世間の事などつゆ知らずに離れて
 流離い 彷徨い 世を嫌い 人を嫌い 我をも嫌って 疎んで 厭がって 遠離って

S.路頭に迷って居た 非常識と不健康に埋没して 没頭して 身を滅ぼして居た
 えげつない程の苦行と内罰の中 煉獄の只中に存在を置いて
 罪滅ぼしをあくせくと働いて居たんだ

 誰にも見えない 見付からない 仄かな仄かな 命の居場所で


D.そんな僕でも 書き続ける事だけは止めなかったよ
 最早 宿命の様に 使命の様に 義務の様に 責任の様に 書き続けたんだ


A.芸は身を救う 何でも身に付ける事は大事な事だ 大変な事だ 大切な事だ
 君の好きな事を探してみて 好きこそ物の上手なれ 楽しんで生きてりゃ
 全てが役に立つさ 全てに意味があるさ
 全てに甲斐があるさ 全てに意義があるさ あるさ

B.現在に原罪は解き放たれて居るよ 自分に課された課題を解き明かして行こう
 一つ一つを尽く 悉く 須く 統べ辛く 信じてみよう 信じ過ぎない様に
 自らを戒め乍ら 諭し乍ら 言い聞かせ乍ら

C.詩の世界に生かされて もう 何十年も経つ
 最早 僕の生きる意味は詩が無しでは語れない
 偽物の無間のループなど 本物の無限のスパイラルに変えてやれ
 闘い 闘い 闘い 闘い 耐えて 耐えて 耐えて 耐えて 乗り越えて来たんだ

B.過去から未来へ 時は流れ 空は変わり 人の世も移ろい去っていく
 僕と君とのオーバーラップは普遍の社会に小さな小さな重たい重たい一石を投じるんだ

C.クロスオーバーされていく 色も声も香も味も触れ合いも
 音を楽しみ乍ら 文(ふみ)を苦しみ乍ら
 産み出して 産み出されて 産み尽くして 産み尽くされて
 産み出し尽くして 産み出し尽くされて
 景色が彩られてく 空気に沁み渡ってく 心に沁み渡ってく 涙で彩られてく
 ほら 輝いて 煌めいて 瞬いて 今 此処に 只 此処に

 此処に 此処だけに 此処にしか無い場所に

S.澄み渡って行く青空と微風と星と詩の世界に 僕は生きて居る
 君に会いたくて 会おうとして 努力するんだけれども 叶わない
 僕に会いたくて 会おうとして 努力してくれて居るのかな
 諦めと沈黙と歯痒さと切なさといじらしさと渇望の上に成り立って
 君は生きて居る 君は生きて居る

S.僕が生きて居る詩の世界に君を引き寄せて 抱き締めて 離さない様にしてあげる
 話さない事など無いかの様に伝え合うんだ 僕と君との生きて居る意味を常しえに

 隣りで 隣り同士で歩いて行こう 此の詩の時代を
 此の詩の世界を 此の詩の宇宙を 此の詩の銀河を 此の詩を此の星で

 君と二人で生きて行こう 歩いて行こう 進んで行こう
 永遠の人生を共にして 共にして 組にして 組にして
 手と手を携えて 足並みを揃えて

 ラララララ

(完了)