『通り抜けるのは』

枯れ果てた路地を歩く 何もない風に晒されて
アイツの顔を思い出す 少し恋が叶ったな

愛すれど忘れ去られ 遠い昔の様
記憶の浮き沈み止まぬ様 果て度無く燃ゆる陽炎

落ち零れ ひとり逸れ 当て所ない影に攫われて
ひとつの夢を思い出す 生きる甲斐が分かったな

旅すれど彷徨い外れ 夢物語の様
くどくど解くのは終わる世 燃え尽くす泡(あぶく)の様

重ねた過ちと 間違いを更に繰り返し
ぐるぐる回るのは風車 度し難さに吹かれ

歌えど人は迷い 巡り巡り巡る巡る輪廻の様
飲めど泣けど現の様 張り裂けん黄昏の夜


枯れ果てた魂に問う 辿り着いた彼は何処


この身も削がれて会いに行く 砕かれた脳裏を庇いつつ
三千世界は亡ぶとも 心は生かします

君に好かれたひと時が 普く平和を誘うなら
愛に照らされて生きてゆく 私をお許し下さい