『風』

浮き足立った世の中で 又 希望がひとつ泡と成り
其の度に僕は僕の意志を 強く持たなきゃと思うんだ

溢れる位の愛に皆 包んで貰いたくて待つのかい
でも叶わぬ願いだからこそ 今日も夜を彷徨う

脇を掠めた君を追い 見失わぬ様に跡を辿る
君は路地裏を擦り抜けてく 然して
通りに出ると 街の淀んだ空気に溶け込んだ

嗚呼 風は何処へ 僕を運ぶのだろう
ねえ 教えてよ 君の瞳に映る色んな意味を


優しい人に成るのは 自分としての理想だけれど
其の為には やはり数知れぬ程の 悲しみを覚えなきゃ成らないんだね

求めるだけの恋に縋り付いてばかりで 本当の愛情も知らぬ幼気な少女よ
そっと胸の傷に触れれば静かな鼓動と 激しい痛みが指先を伝う

然う 風は何時も 君を癒やすだろう
ねえ 好いんだよ 少しの怖れも抱かずに 僕に寄り添い眠りな