『イブ』

此の手を離さないで 僕を虹へ連れてって
七色の悲しみを 胸に刻んだ君だけに


羽の無い交差点を渡る年末の人々(ひと)
其の瞳は非道く曇って居て 疲労と酔いで滲んでる

僕らは鳥に成る筈だった 歴史を持って居た
何の業で何の報いか 解らない侭 歩いてる

此の手を離さないで 僕を月へ連れてって
気紛れな黒(くろ)鳳(あげは)を 背に宿した君だけと


(100 years ago)


縁側で恋耽る 君は確かに美しい
軈て歳を取り重ねても 君は確かに美しい

何時(いつ)か帰る時が来て 別れる定めにないなら
断る理由も 必要も 捨てて 二人 結ばれよう

此の手を離さないで 僕を星へ連れてって
永劫の魂を 腹に鍛えた君だけが

宙に浮かせて呉れる