「ボディーコピー」    2017年11月29日  19:13


―嘗て此の国は狂気に満ちて居た―

「ひとは生き、ひとは死に、流れる時代を謳歌し、
 輝かしい迄の星を歩き、やがて散って行った。

 ひとは生まれ、ひとは泣き、愛を乞い乍ら、恋を重ねて、
 恥ずかしい程の思いを吐き出し、全てを晒し始めた。
 
 報われる為の何かを探し求めて、原因を貪り、結果を導き、
 経過を楽しみ乍ら、己は半生を振り返る。
 
 思い出は過去を物語り、今を作り、未来を照らし、
 自らの性格を築き上げて行く、社会と共有する事を覚えて。

 希望を謳い、労苦を背負い、悲しみを受け入れ、喜びを抱き、
 幸せを甘受して行こうと、惜しみない努力を尽くす。

 堪うる限りの力を尽くして生きる人々、
 その営みとそれぞれの役割を果たしつつ、
 日常を彩る様な笑い声と笑い顔に包み込まれ、」


―然して此の国は夢に満たされて行く―


―その中で人間達は生き様を模索して居た―

「僕たちが生きて居るのには意味が有るとして、
 君たちが生きて居るのには意味が有るとして、
 この世の片隅にでも、居場所が在るとして、
 あの世の片隅にでも、居場所が在るとして、
 帰る家がある幸せ、出会える人が居る幸せ、
 生きて居る命がある幸せ、生きて居る体がある幸せ、
 生きて居る世界がある幸せ、生きて居る宇宙がある幸せ、
 そうとは知らずに、」

ー生き倦ねて居た人々が、空に向かい歌い出すー




「砂利音聴いて、こころ寄せ、何もなかった日の夜に、
誰もいなかった日の朝に、打ち振るわれた魂が、
迸る生命のエネルギーを経て、解き放たれる。」




-希望の果て-

なにもかも思い通りになって
なにもかもが消えてゆく
なにもかもが藻屑と化して
なにもかも自然に帰る
あたかも人が絶対のように
あたかも人が孤独のように
あたかも君が無力のように
あたかも君が失望のように
世界はそう仕組まれている
世界はそう造られている
僕らはそう救われるように
僕らはそう報われるように


-夢に帰る-

海の向こうからやって来た
たったひとりでやって来た
ここがどこかもわからずに
さまようように泳いでは
あなたに会いたい一心で
わたしは今でも泣いている
あなたに会いたくて泣いている
この終わりの無い夢の中で


―幸せを求めて―

何処から僕らは来たのか
幸せを求め続けて
何処へと僕らは行くのか
憧れを追い続けて

夢の中の物語を
現(うつつ)の中で演じ尽くして
希望で綴る伝説を
絶望と共に果たして

生きる意味を乞うては
死んだ意味を問うては
続く理由を乞うては
終る理由を問うては

愛する喜びを求めて
愛する幸せを求めて

此の日を暮らす
此の時を暮らす

大事に大事に抱き締める様に
大切に大切に慈しむ様に

有難く人生を送るんだ